私は日本狼アレルギーかもしれないがもう分からない
¥1,980 税込
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著者:田中有芽子
発行:左右社
仕様:四六判変形/並製/192ページ
○左右社 紹介文
この歌集には、普通の人にはまず思いつかないような奇想が充ちている。
怖いからスルーしたい。でも、できない。怖いくせに、いや、怖いからこそ、立ち止まって正体を知りたくなる。その奥にとても大切なものが隠されているように感じるのだ。――穂村弘
奇想に充ちた短歌で「日経歌壇(穂村弘 選)」に100首以上掲載、年間の秀歌にも多数選出のスター歌人として知られる田中有芽子。2019年に刊行し話題を呼んだオンデマンド歌集に、新作「りからん」を加えた新装版。穂村弘による解説も収録。
〈収録短歌より〉
ガラス越し新生児らの歳を足すみんな合わせて56日
ぎっしりとセミの抜け殻詰め込んだ軽いトランク持って野を行く
奇数本入りのパックが並んでる鳥手羽先の奇数奇数奇数
「共用スペースでは必ず犬を抱くこと」買いに行かなきゃ、犬を。
あのアゲハ小さい頃から何回もおんなじやつに会ってるのかも
100年に一言喋る力持つテディ・ベアそっと抱けば「暑イ」と
すれ違い多き夫よ何回も帰ってくるが行くのを見ない
海と陸出会うはずない命たち一皿に盛ってシーフードサラダ
君たちは名誉レッサーパンダだよ雨の日の午後通知が届く
お母さんはあんたよりもっと殺してる巣に水を入れたりもした
田中有芽子 (タナカ・ウメコ)
札幌生まれの埼玉育ち。東京在住。二〇〇九年より短歌を作り始め、歌人集団「かばんの会」に所属。二〇一〇年より日本経済新聞の歌壇に投稿、穂村弘選として一〇〇首以上掲載され、年間の秀歌にも多数選出。二〇一九年三月『BBレポート』、同年六月、オンデマンド版歌集『私は日本狼アレルギーかもしれないがもう分からない』刊行。
X(旧Twitter):@umenohanasaku1
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